tetraの外部記憶箱

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2005-05-28

_ [art] 祈りの美・奈良国立博物館の名宝@神奈川県立金沢文庫

神虫

奈良国立博物館に保管される十二神将像(太寧寺旧蔵)が旧地に里帰りし、半世紀ぶりに本尊とセットで陳列されました。また、それ以外にも国宝級の名品が奈良国立各部付かんから巡回してきています。 中でも、目を引いたのが辟邪絵(へきじゃえ)のうちの「天刑星」と「神虫」(いずれも国宝)。血が飛び散り、とてもおどろおどろしい図版ですが、生き生きとした表現と彩色がすばらしい名品です。

中国で信仰された、疫鬼(えっき)を懲らしめ退散させる善神(ぜんじん)を表わしたもので、天刑星(てんけいせい)、栴檀乾闥婆(せんだんけんだつば)、神虫(しんちゅう)、鍾馗(しょうき)、毘沙門天(びしゃもんてん)が描かれている。

天刑星は文字通り天の刑罰を与える星で、陰陽道(おんみょうどう)の鬼神である。わが国では密教修法(加持祈祷の法)にも採り入れられた。ここでは牛頭天王(ごずてんのう)(京都・祇園社の祭神。古くは疫神)をつかんで食らう。

栴檀乾闥婆はもとはインドの音楽神である。八部衆(はちぶしゅう)のひとりで、『法華経』の観世音菩薩普門品(かんぜおんぼさつふもんぼん)に説かれる観音三十三身のひとつでもある。また童子を十五悪神の危害から護る神格としても信仰を集めた。

神虫は蠶(さん)の美称で、善神として早くからその霊異が知られていた。

鍾馗は唐の玄宗(げんそう)を悪鬼から守ったとの説話を生んだ中国の辟邪神で、その像は、目が大きく、頬からあごにかけて濃いひげをはやし、黒い衣服と冠をつけ、長靴をはき、小鬼をつかんでいる。

毘沙門天はここでは法華経持者を守護する善神として描かれている。(國寳「辟邪絵」より

_ [log] 金沢山称名寺

称名寺称名寺