tetraの外部記憶箱

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2006-02-25

_ [IT][memo] Chasm理論

昨日のIPA未踏ソフトウェアの講演で、東工大の千葉滋先生が紹介されていたジェフリー・ムーアの「Chasm理論」が面白かった。マーケティングの分野では有名な話なのかもしれないけど。

その理論によれば、技術のライフサイクルには、5つの段階があるとの事。

1.Innovators (ハイテクオタク)・・・開拓者

2.Early Adopters (ビジョン先行派)・・・先駆者

3.Early Majority (「価格と品質重視」派)・・・現実派

4.Late Majority (「みんなが使っているから」派)・・・保守派

5.Laggards (ハイテク嫌い)・・・懐疑派

まず誕生したばかりの新技術に飛びつくのがInnovators 、すなわち「オタク」「人柱」「Geek」と呼ばれる人たちだ。かれらは、「役に立つか」という事は無視し、その技術自体の素晴らしさを評価する人たちである。

次に飛びつくのがEarly Adoptersと呼ばれる人たちである。彼らは技術の実用に興味を持っており、いち早く新しい技術を身に付けて、ライバルと差をつけるための武器とする。いわゆる「目利き」としての能力を兼ね備えた人たちだ。

次の段階がEarly Majorityだ。彼らは、いきなり新技術には飛びつかない。ある程度の実績を上げているのを確かめ、多の似た技術と比較し、品質と全体のコストを勘案した上で採用を決める。きわめて合理的かつ慎重な人々だ。

ここまで技術が成熟すると、Late Majority、すなわち「みんなが使っているから」派が使い出す。

最後のLaggards は、ハイテク嫌いな人。古いものしか信用しない。

そして、これらの段階のうち、2と3の間に一番大きな壁があるというのが「Chasm理論」の要だ。Early Majorityの人たちは、その技術に信頼性が無いと採用しない。しかし、新技術は当然、最初から信頼性があるわけではない。ここにジレンマが生じる。したがって、どんなに良い技術でも、この大きな壁を乗り越えないと成功できないのだ。

そのためには、いきなり広い市場を狙うのではなく、ニッチな市場を各個撃破してマーケットリーダーになる事をめざすと良い。また、チュートリアルなど、ユーザにとって具体的なサンプルコードやシナリオを用意することも重要という内容であった。