tetraの外部記憶箱

«前の日記(2008-03-15) 最新 次の日記(2008-03-19)» 編集
Category;

2008-03-18

_ [life] 結婚の経済合理性

恋愛は、合理性では説明のつかない不可解な事象である。嫁さんは、時々僕を「好きであることの理由」を、あれこれと列挙したりする。僕も嫁さんを「好きであることの理由」を考えては見たものの、どう考えても「後付けの理由」しか思い浮かばなかった。そもそも、「好き」であることに理由付けなんて必要ないのかもしれない。仮に「好きな理由」があったとして、その「好きな理由」が無くなったら彼女のことを嫌いになるかと問われれば「否」である。そもそも、恋愛なんて非合理な事象なのだから、「好きだから好き」でいいんじゃないかと思う。

 

しかしながら、結婚ともなると、一時の恋愛とは違って長期にわたって人生に影響を及ぼすイベントであり、ある程度の経済合理性を考慮に入れるべきである。経済的な豊かさと人生の充足感は必ずしも一致しないけれど、経済的なリスクを少しでも低減してゆく努力は、この将来が見えにくい時勢においては極めて重要であると、僕は思うのだ。

 

そこで、「結婚」、とりわけウチのような「共働き」家庭の経済合理性について考えてみたのだが、結婚して夫婦共働きをするという行為は、収入口が複数存在する非常に有効な「リスクヘッジ」の手段であるという結論に至った。

「リスクヘッジ」とは経済用語であり、「リスクを回避したり、低減する」という意味を持つ。もしもの時に備える「保険」を考えていただけると、わかりやすいかと思う。

 

具体例をあげつつ、解説しよう。

 

30歳も過ぎれば、少しずつ「健康悪化のリスク」も上昇する。もし独り暮らし、もしくは結婚をしていても片働きだった場合、入院ともなれば収入が完全に途絶えてしまうことになる。もちろん、そのために医療保険が存在するが、そのコストはバカにならない。また、この不安なご時世、勤め先の会社の経営不振による「解雇リスク」も存在する。また、個人的な理由によって転職を行う際にも、一時的な「収入減リスク」を覚悟しなければならない。

しかし、共働きであれば、例え上記に上げたようなリスクが発生して一方の収入口が途絶えても、他方の収入でカバーできるので、収入が完全にゼロになってしまう事態だけは避けることが出来る。これが、共働きをリスクヘッジとする考え方だ。もちろん、平常時においては、片働きよりも収入増が見込まる事は言うまでもない。

この「リスクヘッジ」の考え方に基づいて「結婚戦略」をとるとすれば、男女ともに「稼げる相手」を探すことだ。

実際、昔から女性は高収入な男性を結婚相手として選ぶ傾向はあったが、逆に高学歴・高収入な男性の方も、稼げる女性を結婚相手に選ぶ傾向があり、これが格差固定にもつながっているという説もあるとの事。

 

ここから、男女がそれぞれ取るべき恋愛および結婚の戦略は、次のようになるかと思う。

 

女性・・・仕事のスキルを積み、「稼げる女性」を目指す。そして、「稼げる男性」をゲットする。

男性・・・「稼げる女性」と結婚する。もちろん、共働き家庭をささえるために「家事のスキル」も身に付ける。

 

まぁ、こう合理的に推し進めてしまうと、余りに味気ないとは思うのだけれど・・・

 

また、政策レベルでは、共働きのしやすい労働環境を整えてゆくことが、少子化対策にも有効である事も付け加えておく。とりわけ女性は、出産・育児のため、一時的に休職または労働時間の短縮をしなければならない。そうした状況になっても、働いて行けるような社会環境を醸成する必要がある。ましてや日本の労働者人口は、今後、減少の傾向にあるのだから、働き盛りの女性にもっと働いてもらわないといけない。

_ [memo] ローマの風刺詩人、マルティアリスの「エピグランマ」より

人生を愉しむのは明日からにしよう、だって?
それでは遅すぎる。愉しむのは今日からであるべきだ。
いや、より賢明な生き方は、昨日からすでに人生を愉しんでいる人の生き方ですよ。