2009-03-02
2009-03-15
_ [books] 白洲次郎−占領を背負った男
先日のNHKドラマスペシャルで興味を持ったので、読んでみたが、大変に面白かった。
とにかく、その生き方がかっこいい!
たとえどんなに権力を持つ相手であっても(マッカーサーであろうと吉田茂であろうと田中角栄であろうと)、間違っている事は間違っていると、歯に衣着せず、はっきりと言い切る。そのため、敵も多く作るが、一方で、近衛文麿や吉田茂などの大物からの信頼を勝ち取る事ができたのだろう。
また、先見の明にも大変に優れており、まだ日本が戦争でイケイケで「疎開」という言葉すらなかったときに、すでに田舎へ疎開をし、きっと将来、食料も不足するだろうからと農業を始める。
じゃぁ、とても合理的で冷たい性格かというと、そんな事はまったくなく、非常に情に厚いのだ。
空襲で焼け出された親友を訪ね、疎開先の家に住まわせたりもしている。
マッカーサーとの有名なエピソードも面白い。
日本政府を代表してGHQとの交渉窓口を任されていたときのこと、昭和天皇からのクリスマスプレゼントをマッカーサーの部屋に持参したことがあった。すでに机の上には贈り物が堆く積まれている。そこでマッカーサーは、
「そのあたりにでも置いておいてくれ」
とじゅうたんの上を指した。
そのとたん白洲は血相を変え、
「いやしくもかつて日本の統治者であった者からの贈り物を、その辺に置けとは何事ですかっ!」
と叱り飛ばし、贈り物を持って帰ろうとした。さすがのマッカーサーもあわてて謝り、新たにテーブルを用意させたという。
−戦争には負けたけれども奴隷になったわけではない。
それが彼の口癖だった。(上巻・p11-12)
こんな気骨のある人物もいたんだなぁ〜
戦後の新憲法制定をめぐるGHQとの丁々発止のやり取りや、通産省創設の話なども面白かった。
ドラマの方も、白洲が留学した英国や疎開していた「武相荘」でロケしたり、役者の演技も非常にすばらしく、面白かったです。でも、続きは8月なんだよね・・・
↓ドラマ予告編
↓「その時歴史は動いた」の動画。
2009-03-20
_ [books] 徹底抗戦 - 堀江貴文
ライブドア事件の前後から検察による逮捕、そして取調べまでの経緯を、ホリエモンの言葉で語った本。一気に読めて、なかなか面白かった。 一般に思われているような「ホリエモン像」は、明らかにマスコミが作り上げた虚像である。
彼は、「超」がつくほど非常に合理的な思考の持ち主であり、かつ、基本的に「性善説」の人だ。そして、将来、民間による宇宙開発へ本気で乗り出すつもりでいたようだ。決して人をだまして金儲けを・・・というモラルの欠如した人物ではない。
ただ、ちょっと空気が読めなかったというか、日本人の異常な嫉妬深さを過小評価していたんだろうなぁ。だからこそ、部下の横領やインサイダー取引などの不正に気づかなかったり、目立ちすぎて検察から目をつけられたのだろう。
要するに、とっても不器用な人なのだ。
そこんところは、本人もちゃんと自覚しているようだ。
「正直者は馬鹿を見る」と言われる。
今の私が言っても空疎に聞こえるかもしれないが、やっぱり馬鹿を見るんだなと思う。
そうはわかっていても、この不器用な生き方を変えられそうにもない私は、とんでもないおおばか者なのかもしれない。(p.205-206)
また、彼自身が指摘しているように、そもそもライブドア事件は、あのような大掛かりな捕り物劇が繰り広げられるような「大罪」ではない。あれは、国民の鬱憤を晴らすために、検察がゴールデンタイムにあわせて演じて見せた「劇場型逮捕」である。違法行為を行っていたのは確かなのだろうが、ライブドア事件ではいきなり東京地検特捜部が強制捜査に乗り出して複数の逮捕者が出たのに対し、本質的に同じ構図で粉飾決算を行っていたカネボウや日興コーディアルから全く逮捕者は出ていないのは、明らかにおかしいではないか。
要するに、世論をコントロールするために、恣意的にルールが捻じ曲げられたのだ。
さらに、司法、とりわけ現在の日本の検察制度に対して疑問を投げかけている点でも注目に値する。単一の組織に捜査・逮捕・起訴のすべての権力が集中しているため、日本の検察は、意地でも起訴に持ち込もうとするし、その過程で冤罪を招く危険性が以前から指摘されている。また、世論操作のために、都合のよい捜査情報をマスコミにリークする手法は、ライブドア事件の時にも見られたし、今回の西松建設献金事件でも散見された。裁判員制度だけではなく、検察制度も改革が必要であろう。
ホリエモンは非常に有能な人物であるし、この事件で潰されてしまわずに、ぜひ再起奮闘していただきたい。
2009-03-25
_ [photo][K100D][DA18-55mm][FA77mm F1.8 Limited] 初春・上野公園
先週末、上野で親族一同の食事会の後、上野公園をぶらりと散歩してきた。まだソメイヨシノは咲いてはいなかったが、カンザクラが満開だった。
手持ちの77mmで撮影。ピントの山がつかみにくいな・・・。
五條天神社前にて。
キットレンズだけど、色乗りがよい。
2009-03-28
_ [photo][camera] PIE2009へ行ったきた〜ペンタックス篇〜
東京ビッグサイトで開催中のフォトイメージングエキスポ(PIE)へ初参加。
もちろん、お目当てはペンタックスが来年度の発売をアナウンスしたばかりの645 Degitalだ!
断じてコンパニオンのお姉さんではない・・・ハズ(^^;)
参考出品の645Dをガラス越しで拝見してきたよ。
その後、田中希美男氏とペンタックスの前川氏&平川氏のサプライズ対談を拝聴。
要点をまとめると、
- 2010年度中には、必ず出します!
- 3000万画素以上、4000万画素くらい?
- 定価は100万円以下にしたい。80万円くらい?他社の35mmのフルサイズよりは安くしたい
- ローパスフィルターはオプション(解像度は、つけないほうが断然よい)
- 記録メディアは、SDカードのデュアルかも
- フィルムの645レンズは、すべて問題無く使用可能
- セミプロを想定しており、操作は簡便に
まだ仕様は検討中の部分が多いのかもしれない。
まぁ、どのみち、私のような素人が手の出せる代物ではないけどなぁ〜。
でも、この価格だったら、プロやお金持ちな爺さま方は、結構、買ってくれるんじゃないかな?
ペンタックスのブースの前に、田中氏が645Dの試作機で撮影した写真を大きく引き伸ばしてプリントしたものも展示されていた。
これで「20%の完成度」なのらしいか、バリバリの解像度だった。
引き続き、南極観測隊のトークショーも聞いてきた。
ペンタックスのK10DやK20Dは、防滴防塵に大変優れており、南極での極寒環境でもちゃんと動作したという。
そのときの写真を、トークを交えつついろいろと紹介。
ブースには、実際に南極へ行ってきたカメラが展示されていた。
こちらは、K20Dの限定モデルの“チタン”。
そして、K-mの限定モデルの“オリーブカラー”。
近日発売の“smc PENTAX-DA 15mm F4 ED AL Limited”!(ほしいなぁ〜)
2009-03-29
_ [camera][photo] PIE2009へ行ったきた〜コンパニオン篇〜
各メーカーのブースに、華を添えるコンパニオンのお姉さんたちがっ!
いや、この手のイベントに群がるカメラ小僧たちを軽蔑しておりましたが、私が間違っておりました(^^;
断じてコンパニオンのお姉さんを撮りに来たわけでは無い・・・と申しましたが、こんな笑顔を向けられたら、撮ってあげるしかないでしょ(笑)
実際にモデルをお願いして撮影させてもらうのは、結構、楽しいかも。
ポートレートは、あまり慣れていなかったので、良い練習にもなりました。
ニコン
キヤノン
ペンタックス
ソニー
エプソン
富士フイルム
シグマ
タムロン
DNPフォトルシオ
ハクバ写真
カシオ
ナナオ
クロスワン
ケンコー
快く撮影に応じてくれた皆様、ありがとうございました。
2009-03-31
_ [bio][books] 複雑ネットワークと生物学
最近、「複雑ネットワーク」および「ネットワーク生物学」関連の勉強をしているのだけど、この分野は最近立ち上がっただけあって、活気があって面白い。
ネットワーク科学関連についてざっくりと知りたいのであれば、マーク・ブキャナンの『複雑な世界、単純な法則 ネットワーク科学の最前線』がオススメ。サイエンスライターの書いた一般向けの科学書なので、数式などを使わずに丁寧に説明してくれている。
上の本を読んでネットワーク科学に興味を持ち、もうちょっと数式を使って突っ込んで学びたいのであれば、増田直紀、今野紀雄著『複雑ネットワークの科学』が良い。(というか、日本語文献では唯一かも)数式の扱いに慣れていないと読み応えがあるが、より深い理解が得られるだろう。
英語文献としては、Newmanのレビューが比較的読みやすい。
システム生物学関連では、「ネットワークモチーフ」と呼ばれる基本構造をもとに細胞の分子ネットワークを数理的に解析するのが流行っているが、その近辺に関しては、昨年末に翻訳出版されたばかりのUri Alon著『システム生物学入門 -生物回路の設計原理-』(原著"An Introduction to Systems Biology")が非常に噛み砕いて説明してくれており、一読をおススメする。
その他、英語のレビューなど。
- Milo R, Shen-Orr S, Itzkovitz S, Kashtan N, Chklovskii D, Alon U. "Network motifs: simple building blocks of complex networks" Science. 298:824-7 (2005)
- Almaas E. "Biological impacts and context of network theory" J Exp Biol. 210:1548-58 (2007)
- A-L. Barabsi and Z. N. Oltvai "Network biology: Understanding the cell's function organization" Nature Reviews Genetics 5:101-13 (2004)
_ 在野の営業 [私もK100Dで、77mmを使ってますけど、確かにピントの山が掴みにくいですよね]
_ tetra@管理人 [おっ、こっちにもコメントありがとうございます。 どうも開放でとってしまいがちなのですが、上のような構図の場合、もっと..]