まるで抽象画がシュールレアリズム絵画のような小説だ。
言葉の表現は平易かつ非常に豊かで、情景が色鮮やかに目に浮かぶ。
しかし、著者の言わんとしていることは何一つ明確に明示されておらず、メタファー(本作品のキーワード)の上にメタファーが積み重なり、物語に陰影を与えている。
しかし、すっきりとしない部分が多すぎる。
ナカタさんって、結局、何者?
佐伯さんとナカタさんの関係は?
カーネル・サンダースは、どっから来たの?
最後の場面に出てくる、白いウネウネは?
・・・様々な疑問が頭の中をうずまく。
この物語をすんなりと飲み込むには、僕は少々頭が固すぎるようだ。