tetraの外部記憶箱

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2009-03-15

_ [books] 白洲次郎−占領を背負った男

白洲次郎 占領を背負った男 上 (講談社文庫)
北 康利
講談社 ( 2008-12-12 )
ISBN: 9784062762199
おすすめ度:アマゾンおすすめ度

白洲次郎 占領を背負った男 下 (講談社文庫)
北 康利
講談社 ( 2008-12-13 )
ISBN: 9784062762601
おすすめ度:アマゾンおすすめ度

先日のNHKドラマスペシャルで興味を持ったので、読んでみたが、大変に面白かった。

とにかく、その生き方がかっこいい!

たとえどんなに権力を持つ相手であっても(マッカーサーであろうと吉田茂であろうと田中角栄であろうと)、間違っている事は間違っていると、歯に衣着せず、はっきりと言い切る。そのため、敵も多く作るが、一方で、近衛文麿や吉田茂などの大物からの信頼を勝ち取る事ができたのだろう。

また、先見の明にも大変に優れており、まだ日本が戦争でイケイケで「疎開」という言葉すらなかったときに、すでに田舎へ疎開をし、きっと将来、食料も不足するだろうからと農業を始める。

じゃぁ、とても合理的で冷たい性格かというと、そんな事はまったくなく、非常に情に厚いのだ。

空襲で焼け出された親友を訪ね、疎開先の家に住まわせたりもしている。

マッカーサーとの有名なエピソードも面白い。

日本政府を代表してGHQとの交渉窓口を任されていたときのこと、昭和天皇からのクリスマスプレゼントをマッカーサーの部屋に持参したことがあった。すでに机の上には贈り物が堆く積まれている。そこでマッカーサーは、
「そのあたりにでも置いておいてくれ」
とじゅうたんの上を指した。
そのとたん白洲は血相を変え、
「いやしくもかつて日本の統治者であった者からの贈り物を、その辺に置けとは何事ですかっ!」
と叱り飛ばし、贈り物を持って帰ろうとした。さすがのマッカーサーもあわてて謝り、新たにテーブルを用意させたという。
−戦争には負けたけれども奴隷になったわけではない。
それが彼の口癖だった。(上巻・p11-12)

こんな気骨のある人物もいたんだなぁ〜

戦後の新憲法制定をめぐるGHQとの丁々発止のやり取りや、通産省創設の話なども面白かった。

ドラマの方も、白洲が留学した英国や疎開していた「武相荘」でロケしたり、役者の演技も非常にすばらしく、面白かったです。でも、続きは8月なんだよね・・・

↓ドラマ予告編

↓「その時歴史は動いた」の動画。