tetraの外部記憶箱

最新 追記
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2009-05-01

_ [ネタ] アナロ熊かわいいよアナロ熊

地上デジタル放送のイメージキャラクター「地デジカ」。

20090501075212

いかにも、やっつけ仕事で作られたような新キャラですが、それに対抗し、地デジ化延期を推進すべく、新キャラ「アナログマ」も誕生。

20090501075211

ニコニコには、「アナロ熊のうた」も。

なんか、昭和な香りがして、せつねぇぇぇw

_ [photo][K100D][TAMRON SP AF90mm][エダマメ] エダマメ日記3

本葉が広がった。

蒼々として、目に鮮やか。


2009-05-04

_ [photo][K100D][TAMRON SP AF90mm] 実家の花々

夏に子どもが産まれるので、しばらく帰省する機会も無かろうという事で、たったの1泊だけ群馬の実家に帰省してきた。

父が植物であるため、今の時期、庭には色とりどりの花々が、咲き競っている。

早速、庭に出て花々をカメラに収めてきた。


▲ガーベラ(キク科)


▲ニワゼキショウ(アヤメ科)


▲イモカタバミ(カタバミ科)


▲シバザクラっぽいけど?


▲ハーブの一種らしい。グリーンがきれい!


▲ナナホシテントウ


▲キラキラと輝く虫さん。


2009-05-05

_ [life] 都会 vs 地方・・・親の立場より

田舎育ちで上京した一人として興味深い記事があったので、反応してみる。

あまり自分の経歴について書くことが無かったので、この機会に書いてみたい。

僕は群馬の片田舎で生まれた。それこそ、一面田んぼに囲まれた小・中学校に通い、無人駅からローカル線に揺られ、隣の学区の高校に通った。

田舎なので進学塾なんて便利なものは無かった。

大学も地元の大学という選択もあっただろうが、もっと自分の可能性を試してみたくなり、東工大を受験したが、残念ながら夢かなわず、横浜国立大へ進学。そのまま大学院へ飛び級で進学し、製薬会社へ研究員として就職した。

幼少時の田舎体験の重要さ

自然科学に興味を持ち、そして研究の道へ進んだのは、科学好きな父の影響が大きいが、幼少時に自然豊かな環境で育ったことも、多少なりとも影響しているのではないかと思うこともある。

父はとりわけ植物が好きだ。仕事が休みの日には、僕を野山に連れて行っては、植物の名前や薬草の効能などを教えてくれた。また、近所の利根川の河原に連れて行っては、キラキラと輝く石を拾い上げ、その鉱物名を教えてくれた。真夏の夜には、利根川の土手に父と僕と弟で寝転がり、手が届きそうな星空の下で、ペルセウス座流星群の観測をした。夏休みの自由研究で近所の田んぼに発生するホウネンエビを飼い、その生態を観察したのは、今でも良い思い出である。

こうした経験を経て、すでに小学生のときから研究者、とりわけ生物の研究がしたいと思うに至るのは、ごく自然な流れであった。

こんな体験は、都会に住んでいたのでは、決して得られなかったであろう。今では、僕の大切な宝物である。

自然科学というものは、教科書だけで学ぶよりも、実際の体験とか観察力が重要だ。

今、自分も父親となろうとしているが、我が子には自分と同じように様々な経験をさせたいと考えており、やはり教育環境としては、ある程度、自然豊かな土地を選びたい。(つくば市とか、教育環境としては絶好だよなぁ〜)

都会の利点

もちろん、自分自身、横浜に5年、東京に4年住んでいるので、都会に住むことの利点も十分に理解している。入ってくる情報は多く、また、多くの有能な人が集い、出会いから刺激も得られる。そして何より退屈することが無い。その点では、大いにHashさんの意見に同意だ。(まぁ、ある程度、能動的に動いていないと、都会に住んでいるといえども刺激を受けられないけどね)

でも、中学生くらいまでは、自然の中でいろいろと体験し、のびのびと育った方が、その後の“のびしろ”も大きいんじゃないかな〜、と最近思うようになった。(とりわけ、自然科学系は)

夜遅くまで進学塾に通う都会の小学生を見かけると、とても気の毒に思う。

我が子には、幼少期には、しっかりと田舎体験をさせたい。そして一番多感な時期に、都会へ出ていろいろと刺激を受けた方が、より豊かな人生を歩めるのではないだろうか。


2009-05-06

_ [photo][K100D][TAMRON SP AF90mm][エダマメ] エダマメ日記4

にょーきにょーき。


2009-05-10

_ [K-7] NEW K 〜名機の誇りを受け継ぐ者〜

公式ページきたー!

「写真家の想いから創り出される、PENTAXの開発理念に基づくデジタル一眼レフ。
その全貌が明らかになる、「NEW K 体感&トークライブ」を開催します。
PENTAXにいちばん厳しいあなたにこそ、いち早く触れていただきたい。
ぜひお近くの会場にご来場下さい。」

結構、自信作のようだ。これは、期待していいのか?また、ズコーじゃないよね?

デジカメはキヤノンとニコンの2台メーカーが席巻しているが、僕は天邪鬼なので、ペンタックスにはがんばって欲しいと思っている。(あまり、お布施できてないけど)

プロカメラマンなら、機動性とかAF精度とか、たとえボディ価格が高くても信頼性の高いトップメーカーの機種を選択するのは、仕方ないと思う。

しかし、僕にとって写真とは、あくまで趣味の一つである。

その点、ペンタックスはLimitedレンズのような金属製で質感の高い、所有欲をくすぐるようなレンズを出してくれるし、ボディーも性能では少々劣るかも知れないが、某社の入門機のようなプラスチッキーなものではなく、非常に剛性の高い機種をリーズナブルな価格帯で提供してくれる。

たとえホヤ傘下に入ってしまったとしても、そういう「ペンタックスらしさ」すなわち趣味性の高さを失って欲しくはない。

とりあえず、トークライブには絶対に行くぞ!


2009-05-14

_ [photo][K100D][TAMRON SP AF90mm][エダマメ] エダマメ日記5

そろそろ支柱が必要かも・・・


2009-05-21

_ [K-7] 圧倒的じゃないか、我が軍は!

20090521061029

ウワサのペンタックスの新製品「K-7」が、とうとう本日正式発表。

ペンタ党員としては、wktkせざるを得ないw

ペンタックスはニコンやキヤノンと比べると地味でシュアも後塵を拝してますが、非常に技術力を持っているメーカーで、価格も良心的なんっすよね。

ただ、くそ真面目というか営業下手なところがありまして、そこんところが歯がゆいというか・・・まぁ、好きなところでもあるんですがw

さて、この記事を書いている段階では、日本での公式発表はまだですが、海外ではすでに発表が行われ、詳細なスペックがアナウンスされております。

・コンパクトなマグネシウム合金ボディ
・1460万画素CMOSセンサーはノイズ特性が改善され、4チャンネル読み出しで高速連写や動画に対応
・92.1万ドットの高解像度3インチ液晶モニタ
・防塵防滴、耐寒(-10℃)
・連写は新型PRIME IIプロセッサにより、5.2コマ/秒
・シャッターの最高速は1/8000秒
・新型77分割測光システム
・ライブビューモードはコントラストAF、顔認識可能
・ファインダーは視野率100%、倍率0.92倍
・HD動画機能(1080i、720p、480pとオート)
・より速く、レスポンスに優れたAFシステム
・回転ブレも補正する手ブレ補正システム
・ダストリダクションシステムはピエゾセラミックの振動でローパスのゴミを落とす
・進化したホワイトバランスセッティング
・歪曲と倍率色収差の補正(DFA、FA、DAレンズで可能、DA10-17は除く)
・ミラーロックアップ機能
・3枚の露出ブラケット画像を合成して広いダイナミックレンジを得るHDRイメージキャプチャ
・SRを使ったセンサー位置調整機能

via デジカメinfo

Limitedレンズで動画とか楽しめそう。回転系の手ぶれ補正とか、すげぇ。

えーい、ペンタックスのカメラは化け物かっ!(笑)

20090521053156

そして、このコンパクトさ!よくぞ、このサイズに上記のスペックを盛り込んだものだ!

下はYoutubeに上がってた解説動画。(英語)

気になる価格は、米国で1300ドルだそうです。日本では10万円代前半でのスタートですかねぇ?

安すぎませんか?ペンタックスさん。ちょっと心配になっちまいますよw


2009-05-24

_ [K-7] ペンタックス体感トークライブin秋葉原UDX

昨日、秋葉原で開催されたペンタックスの新製品「K-7」の体感トークライブに参加してきた。

12時スタートの10分前くらいにUDXへ到着したのだが、来場者が多くつめかけたため、早めの開場となったらしい。

実機に触れることのできる「タッチ&トライ」のコーナーはもちろん大盛況で、12時過ぎには、既に1時間待ち状態。(あれれ?・・・ペンタックスユーザーって、こんなにいるんだーw)

仕方が無いので、セミナーコーナーへ。

最初は、ペンタックスのセミナーではおなじみ“田中希美男が迫る「K-7の実力」”。

詳しくは、他の人のレポートを読んでいただいた方が良いかと思うが、まとめるとこんな感じだった。


(1)画像素子に関して

有効画素数はK20と同じ1460万画素だが、COMSは新たに開発したもので、まったく別物と考えてよい。

(2)視野率100%

製造には高い精度が必要であり、このクラスのカメラとしては初めての試み。(長い歴史のあるペンタックスでも視野率100%は初めて)

構図を考えて撮影するためには、やはり視野率は大切である。

(3)ファインダーに関して

ファインダー(フォーカシングスクリーン)は、従来は初めて一眼レフを使う初心者のために、かなり明るめに作っていたのだが、「K-7」はハイアマチュアのユーザーを想定しており、従来機よりも少し暗めに作っている。

暗くすることにより、ピントの山がつかみやすく、また、いわゆる“ボケ味”をファインダーで確認して撮影することができるようになった。

(4)ボディ

マグネシウム合金。見た目はプラ製の従来機と変わりないが、手に持ったときに感触がぜんぜん違うらしい。

中のシャーシの構造は、基本的にはK-mなんかと同一。

(5)防塵防滴・耐寒性能

防塵と防滴とでは、要求されるレベルがまったく違うらしい。

隙間に水が浸入しても、表面張力があるため、ある程度以上は入ってこないが、微小なチリの場合、風圧等により水の入れない隙間にも入ってくる。

データをとっていないという事でペンタックス側は明言を避けていたが、マグネシウムボディの採用により防塵防滴性能の向上も見込まれる。

(6)HDR機能の搭載

自動で異なる露出で撮影・合成することで、広いダイナミックレンジを実現するHDR機能を搭載。(多分、世界初)

通常はPhotoshopなとで加工して作るのだが、これをカメラが自動でやってくれる。

(7)連射性能の向上

従来機では他社製品と比べて連射性能に見劣りがあったが、今回、CMOSのチャンネル数が4chになったことにより、5.2コマ/秒を実現することができた。(メカ的には、以前から可能だったらしい)

(8)AFスピードと性能の向上

これも従来機のユーザーから要望の強かった所だったのだが、機構はあまりいじることなく、アルゴリズムを見直すことにより、劇的に向上したらしい。(ペンタックス側は「比較的向上」と言い直していたけどw)

(9)DR II

素子に付着するゴミを落とすダストリムーバルの機能が、大幅に向上。

撮影が終わってゴミの付着を確かめても、ほとんど付いていることは無かったとの話。


他にも77分割測光とか、従来一緒だった絞りとシャッターの駆動モータを別にしたという話とか、動画機能についてとか、電子水準器だとか・・・もう、盛り沢山で1時間では紹介しきれないという感じだった。


引き続き、“谷口泉が勧める「K-7活用術」”へ参加。

谷口先生は、「K-7」を「ちいさな、高級車」に例えていた。

印象に残ったのは、「レンズ補正」機能の話。

レンズには直線が端の方でゆがむ「歪曲収差」や、パープルフリンジが生じる「倍率色収差」などがあるが、それをボディ側で補正してくれる。安いレンズでも、スターレンズなみの描写が期待できそうとの事。(今のところDAレンズだけっぽいが、ぜひともFAレンズも対応して欲しいな〜)


セミナー終了後、再びタッチ&トライのコーナーへ向かったが、長蛇の列はさらに長く延びており、この後、他にも用事が入っていたので、実機に触れる間もなく、後ろ髪を引かれる思いで会場を後にした。


とにかく、「K-7」はペンタックスが起死回生をかけた渾身のカメラだ。オイラ、物欲に負けそう・・・

_ [photo][K100D][FA43mm F1.9 Limited][エダマメ] エダマメ日記6

説明書には「間引きせよ」との指示だったのだけど、かわいそうなのですべてプランターへ植え替えてしまったw


2009-05-28

_ [R][Bioconductor] アレイ解析練習1

今までBioconductorはあまり使ってなかったんですが、どうやらマイクロアレイのお仕事が今年は沢山入りそうな雰囲気なので、今度こそ習得しとこうかなーかと。

参考書は『RとBioconductorを用いたバイオインフォマティクス』

出版直後に買った当時は、Rも満足に使えず、またアレイ解析も今みたいに頻繁にはやってなかったので、正直言って、少々内容が難しいと思ったのだけど、最近、わりとRを頻繁に使うようになったり、マイクロアレイ解析にどっぷり漬かっていたためか、意外に楽しく読んでいる。

チュートリアル形式で書かれていて、実用的で良い本なのだけど、ただ、実行環境、その他の影響により、本に書かれているコードをそのまま試してみても、なかなかその通りに動かないケースも所々あるようで・・・。

以下、p.75のbeta7データセット(two-color microarray)を用いたケーススタディより。(実行環境はUbuntu 9.04 + R 2.8.1)

1. Rを起動し、beta7パッケージと解析パッケージをロード。

> library("beta7")
> library("arrayQuality")

2. beta7のディレクトリにある標的ファイルを読み込む。

> datadir <- system.file("beta7", package = "beta7")
> TargetInfo <- read.marrayInfo(file.path(datadir, "TargetBeta7.txt"))

3. ここで、蛍光強度のraw dataの読み込みを行うと・・・

> mraw <- read.GenePix(targets = TargetInfo, path = datadir)
 以下にエラー if (skip > 0) readLines(file, skip) :
   TRUE/FALSE が必要なところが欠損値です
 追加情報:  Warning messages:
1: In grep(layout.id[1], y) :  入力文字列 32 はこのロケールでは不適切です
2: In grep(info.id[1], y) :  入力文字列 32 はこのロケールでは不適切です 

・・・と起こられてしまう。色々と調べてみると、どうやらロケールの設定が悪さをしているらしい。

> Sys.getlocale()
[1] "LC_CTYPE=ja_JP.UTF-8;LC_NUMERIC=C;LC_TIME=ja_JP.UTF-8;
LC_COLLATE=ja_JP.UTF-8;LC_MONETARY=C;LC_MESSAGES=ja_JP.UTF-8;
LC_PAPER=ja_JP.UTF-8;LC_NAME=C;LC_ADDRESS=C;LC_TELEPHONE=C;
LC_MEASUREMENT=ja_JP.UTF-8;LC_IDENTIFICATION=C"

そこで、ロケールの設定を変更。

> Sys.setlocale("LC_CTYPE", "C")

で、もう一度読み込んでみると・・・

> mraw <- read.GenePix(targets = TargetInfo, path = datadir)
Reading ...  /home/hoge/R/i486-pc-linux-gnu-library/2.8/beta7/beta7/6Hs.195.1.gpr
Reading ...  /home/hoge/R/i486-pc-linux-gnu-library/2.8/beta7/beta7/6Hs.168.gpr
Reading ...  /home/hoge/R/i486-pc-linux-gnu-library/2.8/beta7/beta7/6Hs.166.gpr
Reading ...  /home/hoge/R/i486-pc-linux-gnu-library/2.8/beta7/beta7/6Hs.187.1.gpr
Reading ...  /home/hoge/R/i486-pc-linux-gnu-library/2.8/beta7/beta7/6Hs.194.gpr
Reading ...  /home/hoge/R/i486-pc-linux-gnu-library/2.8/beta7/beta7/6Hs.243.1.gpr

読み込み成功!

4. アレイの品質診断プログラムを実行。

> maQualityPlots(mraw)

すると、作業フォルダに下のような各アレイの診断プロットが作成される。

20090528110842

5. データの正規化。

> normdata <- maNorm(mraw)

6. 正規化されたデータをローカルに保存。

> normdata <- maNorm(mraw)

7. 発現差異のある遺伝子の同定。

> LMres <- lmFit(normdata, design = c(1,-1,-1,1,1,-1), weights = NULL)

8. 発現差異のある遺伝子の調整t統計量と対数オッズを計算。

> LMres <- eBayes(LMres)

6. HTMLによる出力。

> restable <- topTable(LMres, number = 10, resort.by = "M")
> table2html(restable, disp = "file")

出力結果。

BioConductor Gene Listing

IDNamelogFCAveExprtP.Valueadj.P.ValB
H200012024ITGA1 - Integrin, alpha 11.276.988.3900.280.59
H200014446P2Y5 - Purinergic receptor (family A group 5)-0.9212.23-6.1500.61-0.34
H200001079EGFL5 - EGF-like-domain, multiple 5-0.967.74-6.2700.61-0.28
H200001929EPLIN - Epithelial protein lost in neoplasm beta-1.18.62-6.2900.61-0.26
H200003977F5 - Coagulation factor V (proaccelerin, labile factor)-1.17.5-6.5500.61-0.14
H200007427CENTG2 - Centaurin, gamma 2-1.196.09-8.2900.280.56
H200004937Homo sapiens cDNA FLJ12815 fis, clone NT2RP2002546-1.246.3-6.8500.610.01
H200003784SEMA5A - Sema domain, seven thrombospondin repeats (type 1 and type 1-like), transmembrane domain (TM) and sh-1.356.81-6.8900.610.03
H200018884Homo sapiens cDNA FLJ11375 fis, clone HEMBA1000411, weakly similar to ANKYRIN-1.66.62-8.7600.280.71
H200017286GPR2 - G protein-coupled receptor 2-2.457.79-10.7700.181.17

今度は、Agilentのデータを試してみよっと。

RとBioconductorを用いたバイオインフォマティクス
ジェントルマン
シュプリンガー・ジャパン株式会社 ( 2007-07-09 )
ISBN: 9784431734642
おすすめ度:アマゾンおすすめ度
本日のツッコミ(全12件) [ツッコミを入れる]

Before...

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2009-05-31

_ [books] 天空の舟―小説・伊尹伝

最近、また宮城谷昌光の小説をぼちぼち読み進めている。

僕が初めて「宮城谷文学」に触れたのは、高校生の時だった。

元々、三国志好きが高じて中国古代史に興味を持つようになり、陳舜臣の『小説十八史略』を読み終わり、やがて宮城谷昌光の『重耳』を手にするのは、ある意味、必然であったと言えよう。

しかし、高校生の僕には「宮城谷文学」は、難解過ぎた。

なぜなら、我々、現代日本人には馴染みの薄い春秋戦国時代の人物名や、他では目にすることの無い難しい漢語が、次から次へと出てくるのだ。おまけに、筆者が本当に伝えたいメッセージを受け取るには、如何せん人生経験が余りに少なすぎた。一応、最後まで目は通したが、記憶に乏しい。

再び『宮城谷文学』に触れたのは、ほんの3年前に読んだ『香乱記』だ。爾来、『管仲』『楽毅』、そして最近になって『子産』などを読み、ようやくその面白さを理解できるようになった。

今、読み進めているのは『天空の舟』という物語で、宮城谷昌光の小説としては、かなり初期の作品に当たる。時代は商(殷)王朝の前の夏王朝末期、料理人から身を立て、やがて商王朝の成立に尽力した伊尹の人生を描いた物語だ。

まだ漢字の存在しない時代であるため、資料と言っても、わずかに甲骨文と金文くらいしか無いらしい。したがって、必然的に足らない部分は、筆者の想像で補うより他に無い。しかし氏は、古代のたおやかな雰囲気を、実に瑞々しい筆致で描き出すことに成功している。(それに比べると、氏の近年の作品の筆致は、やや硬すぎるように思われるが・・・)

氏の選ぶ主人公は、日本ではマイナーな人物が多い。しかし、いずれも誠実であり、芯の強い心を持ち、知恵に富む人物ばかりで、作品を読むと心が颯爽として実に心地よい。さらに人生経験を積んだ後に読み直したら、きっとまた違う印象を持つのだろうなぁー。