tetraの外部記憶箱

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2009-05-05

_ [life] 都会 vs 地方・・・親の立場より

田舎育ちで上京した一人として興味深い記事があったので、反応してみる。

あまり自分の経歴について書くことが無かったので、この機会に書いてみたい。

僕は群馬の片田舎で生まれた。それこそ、一面田んぼに囲まれた小・中学校に通い、無人駅からローカル線に揺られ、隣の学区の高校に通った。

田舎なので進学塾なんて便利なものは無かった。

大学も地元の大学という選択もあっただろうが、もっと自分の可能性を試してみたくなり、東工大を受験したが、残念ながら夢かなわず、横浜国立大へ進学。そのまま大学院へ飛び級で進学し、製薬会社へ研究員として就職した。

幼少時の田舎体験の重要さ

自然科学に興味を持ち、そして研究の道へ進んだのは、科学好きな父の影響が大きいが、幼少時に自然豊かな環境で育ったことも、多少なりとも影響しているのではないかと思うこともある。

父はとりわけ植物が好きだ。仕事が休みの日には、僕を野山に連れて行っては、植物の名前や薬草の効能などを教えてくれた。また、近所の利根川の河原に連れて行っては、キラキラと輝く石を拾い上げ、その鉱物名を教えてくれた。真夏の夜には、利根川の土手に父と僕と弟で寝転がり、手が届きそうな星空の下で、ペルセウス座流星群の観測をした。夏休みの自由研究で近所の田んぼに発生するホウネンエビを飼い、その生態を観察したのは、今でも良い思い出である。

こうした経験を経て、すでに小学生のときから研究者、とりわけ生物の研究がしたいと思うに至るのは、ごく自然な流れであった。

こんな体験は、都会に住んでいたのでは、決して得られなかったであろう。今では、僕の大切な宝物である。

自然科学というものは、教科書だけで学ぶよりも、実際の体験とか観察力が重要だ。

今、自分も父親となろうとしているが、我が子には自分と同じように様々な経験をさせたいと考えており、やはり教育環境としては、ある程度、自然豊かな土地を選びたい。(つくば市とか、教育環境としては絶好だよなぁ〜)

都会の利点

もちろん、自分自身、横浜に5年、東京に4年住んでいるので、都会に住むことの利点も十分に理解している。入ってくる情報は多く、また、多くの有能な人が集い、出会いから刺激も得られる。そして何より退屈することが無い。その点では、大いにHashさんの意見に同意だ。(まぁ、ある程度、能動的に動いていないと、都会に住んでいるといえども刺激を受けられないけどね)

でも、中学生くらいまでは、自然の中でいろいろと体験し、のびのびと育った方が、その後の“のびしろ”も大きいんじゃないかな〜、と最近思うようになった。(とりわけ、自然科学系は)

夜遅くまで進学塾に通う都会の小学生を見かけると、とても気の毒に思う。

我が子には、幼少期には、しっかりと田舎体験をさせたい。そして一番多感な時期に、都会へ出ていろいろと刺激を受けた方が、より豊かな人生を歩めるのではないだろうか。