tetraの外部記憶箱

«前の日記(2009-08-16) 最新 次の日記(2009-08-22)» 編集
Category;

2009-08-18

_ [log] 立ち会い出産の記録

朝方、暑苦しくて目が覚めた。まだ部屋はうす暗い。

 

今、何時だろう?と思って、枕元の携帯電話を手に取る。朝の4時だ。

メールの着信を知らせるLEDが点滅しているのに気づき、メールボックスを開くと、すべて里帰り中の妻からのメールだった。

 

陣痛の記録と、朝一番の電車で来てほしいという連絡。ついに、待ちに待ったこの時が来たか。

急いで返信のメールを打ち込み始めた所で、直接、妻から電話連絡が入った。

これで一気に目が覚めて、布団から飛び起きた。

 

当初の予定日は8月6日。

ところが、予定日を過ぎても一向に陣痛がくる気配はなかった。

先週はまるまる休みを取り、いつでも駆けつけられる準備を整えたのだが、結局、陣痛は来なかったのだ。

 

15日の夜、血性のおりものがあったということで、緊急入院。

16日、陣痛促進剤を投与。

それでも本陣痛が来ないということで、やきもきした状態がずっと続いていた。

 

携帯で電車の時間を調べると、まだ少々時間があったので、軽く朝食をとる。

その間にも、「陣痛が3分に1回になった」というメールが届く。

刻々と事態は変化する。この様子だと、今日中に産まれるかもしれない・・・

 

身支度を整え、5時に家を飛び出す。今日も青空が広がり、暑くなりそうだ。

果たして間に合うだろうか?

 

7時半くらいに目的地に到着。そこで、お義父さんの車に拾われ、産院へ直行。

ところが、ちょうど朝の出勤時間にぶつかってしまい、なかなか目的地に着かない。

もどかしい思いをしつつ、8時20分くらいに現地に到着する。

 

すでに妻は陣痛室から分娩室へ移されたというので、急ぎ駆けつけると、まさに分娩台の上で、陣痛との格闘の真っ最中であった。

 

なんとか出産に間に合ったぞー!

 

でも・・・ おろおろ・・・ おろおろ・・・

 

そうだ、まだ会社へ連絡してない!

 

部屋を出て会社に電話し、今日はお休みするという旨と、同僚への実験の引き継ぎをお願いする。

それから、きっと自分の両親も、やきもきしているかもしれないと思い、実家へも電話連絡し、分娩室へと戻る。

 

既に麻酔が入っていたらしいのだが、効きが弱いという事で麻酔を追加投与。(医師の判断で「無痛分娩」になっていた)

 

朝方からずっと付き添っていたお義母さんと交代する。

 

「はっはっふー はっはっふー はっはっふー」・・・えーいっ、こっちが過呼吸になりそうだw

 

まだ、しばらくこの状態が続くのだろうか・・・

 

9時を過ぎた辺りから、事態が急展開する。

まだ陣痛は3分に1回の頻度だったのだが、完全ではないものの子宮口も開いてきていたので、吸引分娩をするらしい。

ところが、「がまんできなかったら、力んでもいいよ」という事で力んでみたところ、すでに新生児の頭が見えてきたという事で、そのままお産へ持っていく事になった。

 

おろおろ・・・ おろおろ・・・ うわぁー、出てきてるよぉー!

 

「がんばれ!もう頭が見えてるよ!」と声をかけてみる。(情けないが、それくらいしかできる事が無い・・・)

最後の力を振り絞り、赤ちゃんが押し出される!

 

そして、産まれたばかりの新しい命を産科医が取り上げた。破裂するような力強い産声が分娩室じゅうに響きわる。

 

「旦那さん、時間!時間!」

 

え? え? 「えーっと、9時20分ですっ!」

 

長女誕生。3236 g。ようこそ、はじめまして。

 

 

はさみを渡され、臍の緒を切る。

胎盤も初めて見たが、けっこう衝撃的。ヒトは間違いなくほ乳類なんだなぁー。

 

いや、父親って情けないもので、見守る以外にできる事がないのですが、新しい命の誕生には感動しました。

僕も、こうして産まれてきたんだろうなぁ(←3700gだったらしいし・・・)

世の中の母親ってすごい・・・。

 

助産師曰く「目元がお父さんそっくり!」

あぁ〜、確かに父親の遺伝子受け継いでますわw

 

一仕事を終えた妻が赤子を抱くと、まだ産まれたばかりだというに、じっと母親の目を見つめているのがとても印象的だった。