tetraの外部記憶箱

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2011-10-04

_ [BESSA R2A][NOKTON classic 40mm F1.4] 帰省

先月の三連休、妻と娘を連れて群馬の実家へ4ヶ月ぶりに帰省した。

18の春に実家を旅立って以来、何度も帰省はしているが、今回は特別な思いがこみ上げてきた。というのも、この円高で仕事が少なくなってしまい、ついに今月、父は自分の工場を閉じることを決断したのだ。

工場1

実家に帰り、早速、すぐとなりの工場の中へ立ち入ってみると、既にほとんどの機械が運びだされてカラッポになっていた。かつては機械の動作音やコンプレッサーのモータ音に包まれていた空間も、今は静寂に包まれ、ただ機械油の臭いだけが僕の幼い頃の記憶をくすぐる。

工場2

「いらなくなった配線も、売れば少しお金になるんだけど、作業してくれた方にくれちゃうんだって。本当にお父さんは人がいいんだから・・・」と、母がぼやく。

工場3

父は、元々、兄の町工場を手伝っていたのだが、30代の頃に独立。織機工場だった木造の工場を借り、そこに中古の機械を置きスタートした。あの頃の両親は、土日もなく、よく働いていた。学校がお休みの日は、母と一緒に工場へ連れていかれ、機械の周りで弟と一緒に遊んだ記憶がある。その後、今の場所に新築の工場を建て、両親は身を粉にして働き、僕ら兄弟を大学まで出してくれた。そんな両親に感謝する一方で、子守唄のように聞いて育った機械の動作音が記憶の中だけの物になってしまったかと思うと、何だかとても切なくなった。

工場4